サンタバーバラ風景写真 - あなたの笑顔 |
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日本で過ごしてきた23年間という時間の中で繰り返してきた出会いと別れ。 別れ際はいつも「またどこかで会える」ような気がして、 僅かながらの寂しさを感じながらも涙することはなかった。 ここアメリカに来てからも多くの人々と出会った。 そして「さようなら」もたくさん言ってきた。 けれどこの日ほど切なく、寂しく、悲しい気持ちになったのは初めてだった。 いつも明るく、無邪気で、笑顔の絶えなかったあの子。 ビーチのない国からここアメリカのカリフォルニアへとやってきた彼女は、 サンタバーバラ海が本当に本当に大好きで、放課後毎日のように行っていた。 しかし、その笑顔や笑い声も、無邪気に話す姿も、もう見ることができない。 放課後のキャンパスで最後の時間を過ごし、 ここでも今まで生きてきた中で何度もしてきたように「さようなら」をした。 いなくなってしまうという実感が湧かず、ずいぶんとあっさりとした別れだった。 何か心の中がすっきりしないまま時間が経ち、 気が付けば時計の針は夜の10時を回っていた。 特に何かするわけでもなく、夜のビーチへと向かって歩き出し、 そして誰もいない夜の広い砂浜に佇んだ。 このビーチが本当に大好きだったあの子のことを思い浮かべていた。 夜も更け、帰ろうと思いビーチを後に歩き出した。 赤信号の交差点で立ち止まる。 すると交差点の向こう側から誰かが大きく手を振っている。 昼間別れを告げたあの子だ。 『 最後にもう一度だけ、あの大好きなビーチに行きたいの 』 そう言って、いつもの無邪気な笑顔を見せてくれた。 お互い言葉が見つからず、ただ両腕を広げて、少し強くハグをした。 そしてもう一度彼女の顔を見ると、口元にぐっと力を入れながら笑顔を作り、 どこかいつもの元気もなく、声を震わせながら「またね」と言った。 「さようなら」ではなく「またね」 そう言い残すと足早にビーチへと歩いてゆく。 途中一度だけ振り返った彼女の表情は暗くて見ることができなかった。 そしてお互いにそれぞれ逆の方向へと歩き出す。 互いの距離が遠くなるほど、もういなくなってしまうという実感が湧いてくる。 気を紛らわそうとつけた iPod のイヤフォン、 再生することすら忘れていて、聴こえてくる音はなにもない。 とても切なくて悲しいけれど、最後にもう一度会えて、 そして「またね」を言うことができてよかったのかもしれない。 また明日学校に行けば、あの笑顔をいつものように見せてくれる。 そんな気がしてならない。 ある友達がこう言っていた。 " Its a small world after all " 今日という日は「さようなら」ではなく「またね」 |